沖縄の戦争博物館・戦跡の「南風原文化センター」の展示内容を写真で解説します。
南風原文化センターは、ひめゆり学徒隊が負傷兵の手当てを行った沖縄陸軍病院南風原壕群20号の内部が再現されたジオラマや発掘調査で出土した遺品などが展示されている沖縄の戦争博物館です。
当記事では、沖縄戦跡巡りを行った経験を基に、南風原文化センターの展示内容・見学の注意点・観光のアドバイスをまとめました。
目次
南風原文化センターの展示物
南風原文化センターには、
- 沖縄陸軍病院南風原壕群20号の中を再現したジオラマ
- 証言映像や壕内で出土したもの
- アメリカ軍と昭和の日本に関する展示
- 琉球の文化と人々の暮らし
に関する物が展示されており、時期によっては特別展が開催されています。
陸軍病院壕が再現されたジオラマ
ひめゆり学徒隊は2人1組で職員と患者の食事が入った醤油樽を運びました。
飯上げの道は急こう配な上に整備がされておらず、雨の日にはぬかるんでいたので、
泥やゴミが入ったり、転んでひっくり返してしまうとその日の食事が無くなる事もあったそうです。
樽の中には七分づきのお米や混ぜご飯が入れられており、
無事に壕まで運ぶ事ができた場合は壕内でおにぎりにして配りました。
陸軍病院壕に入院していた患者の食事の様子。飯盒の中蓋の部分と日本軍の水筒が置かれています。
ピンポン玉大のおにぎりが1日分の食事です。
患者やひめゆり学徒隊の食事に関する説明文。
初めのうちはテニスボール大のおにぎりが1日2回食べられたそうですが、
戦況が悪化すると食料の確保が難しくなり1日1回テニスボール大のおにぎりしか食べられなくなりました。
壕の広くなった部分には手術室が作られており、ろうそくの微かな明かりの下で麻酔なしでの外科手術が行われました。
ジオラマには照明がありますが、実際はこれよりも更に暗く、チラチラと揺れるろうそくの炎の光の中での手術だったそうです。
沖縄陸軍病院南風原壕群の発掘調査で出土した物
沖縄陸軍病院南風原壕群から出土した、入院していた患者の私物が展示されています。
アメリカ軍と戦後の日本
捕虜収容所の様子やアメリカ軍占領下での沖縄県民の暮らしに関する展示。
昭和中期の沖縄の商店の様子を再現した展示はレトロで可愛らしいものでした。
沖縄の人々の暮らしや風習に関する展示
沖縄の伝統的な家を詳細に再現したジオラマがあり、建物の中に上がったり展示物で遊ぶ事もできます。
沖縄の伝統料理の展示や説明があり、沖縄・琉球の食文化についても学ぶ事ができます。
沖縄・琉球の人の一生・儀式に関する展示では、
どのような儀式を何故行うのかの展示があり、文だけではなく絵やレプリカで分かりやすく説明がされています。
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飯上げの道
南風原文化センターから沖縄陸軍病院南風原壕群20号に向かう途中には「飯上げの道」と呼ばれる、
ひめゆり学徒隊が炊事場から職員と患者の食事を壕まで運んだ小道があります。
結構な傾斜で自分の荷物だけでも「しんどい」と思いましたが、ひめゆり学徒隊は雨でぬかるんだ中で飯桶を担いでここを歩きました。
沖縄陸軍病院南風原壕群20号
予約した方のみ、沖縄陸軍病院南風原壕群20号で壕内を実際に見学する事ができるガイドツアーに参加する事ができます。
ツアーでは、埋められていた医薬品・手術室だった場所・ベッドが置かれ当ていた場所の見学と説明が行われます。
動画は沖縄戦当時、実際に使用されていた医薬品に関する説明で、専属のガイドがシッカリと説明してくれます。
慰霊碑
【左:兵隊を追悼する碑・真ん中:平和の鐘・右:憲法九条の碑】
南風原文化センター・陸軍病院南風原壕群の周辺には数多くの慰霊碑が建立されており、慰霊のための千羽鶴が奉納されています。
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南風原文化センター見学の注意点|予約が必要な場合も
南風原文化センターは20人以上の団体で見学する場合は予約が必要になります。
隣接する沖縄陸軍病院南風原壕群20号の見学は1人での訪問であっても予約が必要なのこちらを見学される場合は必ず予約をして下さい。
また、毒蛇のハブが出没する場所なのでハブには十分注意して下さい。
営業時間・施設情報・まとめ
南風原文化センターは交通の便が悪く、路線バスでアクセスする場合は複数回の乗り換えが必要なので、タクシー・レンタカー・レンタルバイクでの訪問をお勧めします。
実際、沖縄の戦跡は交通の便が悪い場所が多く、バイクで沖縄の戦跡を巡りました。
参考:南風原文化センター・沖縄陸軍病院南風原壕群20号へのアクセス方法
- 営業時間:9:00~18:00
- 定休日:水曜日
- 電話番号:098-889-7399
- 住所:沖縄県島尻郡南風原町喜屋武257
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